2015年02月26日

LGBTのカップルに精子提供をお願いされた話。


現在シンガポールにいます。
1日3時間しか寝ないので海外くるとどうしても長い夜を持て余してしまいます。

時間はたっぷりあるのでタイトルの件を書いてみようと思いました。
ようするに知り合いのレズビアンカップルが子供を欲しがっていまして。
精子提供を相談されたということなんですが。

ノーマル男性である私が精子提供を求められてどんな心境になったかを書いてネットで公開しておくことで
他のLGBTカップルの方たちの参考になればいいなと思ったのです。
検索したところこのような状況になった男性の記事がなかったので、書いておく価値はあるかなと思います。

そんなわけで恥ずかしながらブログ更新です。



知り合いのカップルというのはもともとは私のプロダクションに所属していたモデルの二人です。
事務所に所属して1年たったぐらいに「大事な話が」とカミングアウトされました。

私はもともと女顔で女性に間違えられて育ったり、ゲイとかんちがいされたり。
レズビアンの友達(私をゲイと勘違いしてカミングアウトしてきたうっかりさんw)がいたりしたので
特に偏見もなく。
「カミングアウトするのはやめておいた方がいいけど、二人の関係には別になんの感情的なマイナスもない。ただ、別れたからってどっちかが急に事務所を辞めるのだけはよしてくれ」といって終了。

それから10年ぐらいたって彼女たちに精子提供をお願いされたというわけですね。


まず、最初に思ったことは「俺の精子は健康なんだろうか?」です。
私の家系的な問題として高血圧、そしてハゲwww。父と祖父は髪が薄かった。

次に思ったことは「そうして生まれてきた子供を俺は他人と思えるのだろうか?」です。

私の性格的に「精子提供しただけで、生まれてきた子供は俺には関係ない」と思えるとはどうしてもかんがえられなかったのです。
仮に提供時以降、接点のない生活をしていようと「あの子は元気なんだろうか?」とか考えてしまう自分が容易に想像できました。

この2点をその場で打ち明けてみたところ。
わりと即答というか、「こう言われることは想定していたのかな?」と思えるような理路整然とした返答。

それだけ事前に何度も何度も二人で話し合ったのか?
はたまたもう少し短略的に、30歳をすぎて肉体的なリミットを前に焦っているのか?

どっちだろうと私は考えました。

たぶん・・・そのどっちもだなと思いました。

「二人のご両親は精子提供というかたちで子供を得ることに賛成はしてるの?」と聞きました。

ここでブレーキがかかった。

ハギレの悪い返答。

「もうしわけないけど、もっと真剣に考えるべきだと思うよ。ご両親にしたら孫なわけだし。どんな形であれ祖父祖母にも愛される方が子供のためだし、仮にも自分(俺の)の子供なんだからそこは絶対に譲れない」

そういうと二人は黙ってしまいました。

けっこう長い沈黙がつづき、彼女たちが話し出すのを待っているあいだに私はいろいろ考えました。
生まれてくる子供が抱えるリスクについて。

「たとえばなんだけど、将来、俺が子供の親権を主張して裁判おこしたらどうする?」
「俺がこのまま結婚しないで子供を持たなくて。家系が途絶えるのを防ぐために、その子を自分の物にしようとしたどうする?」

この問いかけにも二人は黙ったまま。

やっと口を開いた言葉が
「・・・社長には迷惑かけません」


この言葉で私は精子提供はできないと思いました。

「いや。迷惑はかけてくれてぜんぜんかまわないんだ。むしろいっさい関係が途絶するような状況に置かれる方が俺には迷惑。迷惑かけなければ俺がOKすると思ったか?そういういい加減な男の精子ほしいか?」

「あのな〜^^;2人だけで子育て完結するとおもってるなら子供欲しがるのやめな。ペットじゃあるまいし、自己満足で親になろうとしてんなよ。考えが甘い。周囲を頼れ。それが子供のプラスになるなら、恥をかこうとなんだろうと頼れ。そこで自分を犠牲にできないなら、まだ親になるには早いんじゃないか?」

意図的に「まだ」と将来に含みを持たせる優しい私www

そこに気がついたか、気がつかないかはわからない。なにしろ二人はやっぱり無言だったから。

「ん〜〜〜〜・・・精子提供した俺のことを親戚が増えた・・・ぐらいに思える余裕がないとダメなんじゃない?当然、ふたりの両親の理解と協力は絶対必要だし。」

「単純にさ、おじいちゃんおばあちゃんと接点のない子供時代過ごさせんのはよくないよ。俺がそうだったけど、夏休みにおじいちゃんとこ遊びにいった友達の話しきいて羨ましかったし、あとお年玉ね!おじいちゃんおばあちゃんからもらえるお年玉がないだけで子供にとっては大きな損だよwwwもらえる総額が段違いだよ!www」

ちょっと場を和ませようと笑いをとる私。

その後、ぽつぽつと自分たちの心情を話し始めてくれたので、二人の考えが少しづつ理解できてきました。
その後、気がつくと2時間ほどたっていて。

結論として、私は「心情的には協力したいけど、現実的な問題でいまはまだ協力できないと」と返答をしてお開きとなりました。

私の考えなのですが、LGBTカップルが子供をほしがること。持つこと。それは別になんとも思いません。
ノーマルのカップルとそこは別に違いはないと思っています。

同時に「親になる」という責任もやっぱり違いはないと思います。

だから不妊に悩むノーマルカップルから精子提供求められたとしても、私の返答は同じだったと思います。

2人と話をしていて思ったのですけど、LGBTカップルが子供を持つことで起こりうる問題・・・たとえば世間の偏見とか、それによって子供が苛められるんじゃないかという不安とか。
その部分にはいろいろと真剣に考えてるのですけど。

ごくシンプルに「親になる」という部分については思慮がたりないなと。

LGBTゆえに起こりうる育児上の問題なんてものは、親になる本人たちの覚悟と愛情。
それと周囲の人間の協力でいくらでも乗り越えていける問題だと思います。

いいんですよ、別に子供が虐められようと。
問題なのはその時に子供が「自分は愛されてる」って思えるかどうかの方で。

その時に親が動揺してたらどうします?子供は逃げ場がなくなりますよ。

子供が「自分は愛されてる!」って信じられていれば、イジメになんて負けません。
そしてその子は苛められる辛さを理解して、他の誰かの痛みを思いやってあげられる優しい人間に育つのですから。

そもそもノーマルカップルの育児だって問題はあるもんなんですから。
LGBTだからってところにばかりフォーカスする必要はないんです。

いいじゃないですか、子供と一緒に親も成長していけば。


私は血の繋がった子供こそいませんが、長年芸能プロダクションを経営してましたので
たくさんの子供たちの、若者たちの親代わりをしてきました。
たくさん悩まされたし、困らされたし。いっぱい喧嘩もしたし。
私自身の未熟さで傷つけてしまったこともたくさんあります。

でも無駄だったことなんて何もなくて。意味のないことではなかったのです。


「LGBTだから・・・」とばかり考えるのではなくて
「親になるんだから・・・」とも考えることで上手くいくのではないかなと思います。

考えるだけ考えて、考えて、考えて・・・・そしたら最後は開き直ればいいじゃないですか?
「親になるの初めてだから最初から100点なんて取れるはずないや、困ったり、わからないことがあったら周囲に相談すればいいや」と。

大丈夫。大丈夫。
人間は優しいから。




posted by サムライX at 04:50| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする