2017年12月25日

最近の若手作曲家にいいたいのだけど・・・50曲聞いて感じた傾向から。


私はおっさんなので最近のアニメとか動画サイトでの人気の曲とは基本的に耳に入ってきません。

なので定期的にコスプレイヤーの子達にお願いして
流行りの曲をまとめてもらって、まとめて視聴することでトレンド感を鈍らせないようにしているのですが・・・


数年前に「ボカロ世代の作曲家は休符の使い方がヘタ」と書きました。
もうひたすら早口でダダダダダっと歌詞を並べ立てて、息継ぎするための休符がぜんぜんない曲が氾濫した時期がありまして。

最近でこそそれらの傾向は減ってきました。

これはそれらの作曲家が数年間で経験をつんで、休符を使えるようになったからだと思います。

で、本題の2017年の傾向なんですが「ノイジーなシンセ+ロリ声歌手」です。

いやね、たしかにEDMブームとかで低音重視のオケがあるなら
そこに高音域の女性Voを載せたら音の分離がいいから、それなりにかっこよくは聞こえるんです。
ミックスが下手でもそれっぽく聞こえます。

だから、アレンジのアプローチとしていいんです。
オタクはロリ声好きでしょうし。

問題はオケなんですよ。

むやみに音色と音数を増やすな!!!!


重低音の迫力とか、シンセリフのビート感とかを出すために
安易に音数増やすことで表現しているのが多すぎる。

爆音高速ノイズインダストリアルを20年以上も聞き続けるこのおっさんが頭痛くなったよ!
まさか音楽聞いてて頭痛がしてくるなんて夢にも思わなかった。

音数を増やせばそりゃね、バカでも迫力でるんですよ。
でもね、それって自己満足なの。

いいかい?
なぜ近年、秋元さんがAKBや坂道系列で昭和歌謡みたいなアレンジの曲を発表してるかわかるかい?
正確に言うと、近年ではなく「ボカロ曲ブームがひと段落してから」だな。

若者の耳がボカロから始まった高速ビート路線に疲れてるからだよ。

その中でも比較的EDM色の強い欅坂さんの不協和音だってメインのシンセリフ以外の装飾音は多くはないし
それらの装飾音が登場するのはちゃんとVoの休符部分や間奏だ。

間違ってもメインリフ以外の音がVOにかぶさる形でAメロからガシガシ鳴り続けたりしない。



音楽で飯を食べていきたいなら、流行りのエッセンスを取り入れるだけではダメだ。

実際に商業的に成功してたり、年収で数億を稼ぐような、数万人を熱狂させるような海外のトラックメーカーの音源をちゃんと聞いてみればいい。
そんな無闇やたらに音数増やしてないから。

アニソンの曲に関してはまぁ、作曲家とアレンジャーが別なこともよくあるから、致し方ないにしても。

動画サイトで自分で完成系までもっていって発表している若い作曲家は
ブームのエッセンスを抜き出すのはすごくいい。
でももう1歩踏み込んでほしい。
その路線で成功している人の音源分析もぜひやってみて欲しい。

そこにも成長する要因がきっと見つかるから。

その部分をちゃんと学んで、自分の作品に生かせたら。
きっとチャンスは向こうからやってくると思う。

動画サイトで作品UPしたり、事務所にサンプル送ったりしてもなかなかチャンスがやってこないのは。

アナタに運がないとかではない。

アナタに足りてないものがあるからだ。


たとえば、パソコンで作曲して、その曲をUPするまえに
1度自分でイヤホンで聞いているだろうか?
ヘッドフォンで作曲してるなら、コンビニで売っているような安いイヤホンで聞いてみただろうか?

自分の作曲環境にあるスピーカーで視聴しただけで、世に出してはいないか?

アナタが若者向けの曲を作っているのなら、今時の若者はほとんどがスマホ経由でイヤホンで音楽を聞く。
その環境でちゃんと自分のミックスレベルを確認しただろうか?

プロの世界ではこの「再生環境の違い」はレコーディングエンジニアや私のようなプロデューサーが気を使う部分なのだが、素人のうちは自分でやらないとダメだ。

じゃないと「その他大勢の作曲家志望」の一人で終わる。
抜きん出るのは難しいだろう。

それともう一つ。

アナタの曲は、仮にピアノやギター1本で演奏しても良い曲だろうか???

シンセの音、高速なマシンビートがなくても、良い曲だろうか???

はたまたボカロじゃなくて、人間が歌っても良い曲だろうか???


公開している楽曲本数が多いのは良いことだと思う。
相乗効果でアクセスが増えるからね。

でも、そこから更に1段階上に進みたいなら、「聞き手の立場」で考えられるようになろう。
そうしたらまた新しいリアクションやチャンスがくるからね。

・・・って上の文で締めようと思ったけど。

最近の若者は素直な良い子が多いから(←皮肉)もうすこし言葉をたそう。

いいか、聞き手って別にお客さんだけのことじゃないぞ?

アナタ以外のすべてが聞き手だ。

つまり「業界人も聞いている」ということだ。

エンドユーザーの聞くポイントと
業界人の聞くポイントは違うからな。

さらにいうなら「同じ立場のライバル」も聞く。
オリジナルを作ってくれる作曲家を探している「歌手志望」の子やグループも聞く。

ここまで書いたらもうわかるな?

アナタが望んだ理想の未来から逆算してアプローチを変えるといい。



まちがっても基本的に「1分30秒」しか視聴されないインパクト重視のアニソン傾向だけでトレンドを判断してはいかんよ。


がんばれよ!
したたかにな!
posted by サムライX at 11:17| Comment(2) | 音楽業界裏話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
自分は最近のアニソンで、声優の鈴木みのりさんが歌っているFEELING AROUNDという曲が良かったです。
理由は、その声優さんの歌声と(食いしん坊な性格と)、曲自体の明るいイメージがすごく合っていていたからです。
ですが、普段動画サイトを見ているとこの歌手さんがなんでこの曲を歌っているのだろうと疑問に思う事もあります。
なので、曲と、歌手さんのお互いのイメージバッチリの出会いがあれば、そしてその効果で曲がヒットしたならば、曲に関わった人全員が幸せなのかもしれないなと思いました。
Posted by 複数送信してたらごめんなさい at 2018年01月20日 03:50
>複数送信してたらごめんなさい さん

大丈夫だよ。複数送信されてなかった。

そんな曲があるんだね、知らなかった。今度聞いてみるよ。食いしん坊な性格に合う曲って面白うそうだねw

歌手にしろ声優にしろ芸能系は「売れることでしか恩返しができない」と昔から言われているよ。
ヒット曲をだして周囲の人に恩返しするのはプロデビューしたら大事なことだと思う。
Posted by サムライX at 2018年02月14日 13:51
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